something more precious

06


「「・・・・・・・・・・・・」」
2人が見つめ合って動かないでいたが、先に目をそらしたのはリョーマの方だった。
「行こ。シュウスケ、エイジ。」
シュウスケとエイジに声をかけてリョーマが歩き出そうとしたので、クニミツが声をかけたがそれをさえぎった者がい
た。
「待っ・・・!」
「お待ちなさい!!」
クニミツの後ろにいたセウフィ国のレイであった。
「・・・・・何?」
レイの言葉にリョーマは足を止め、振り返った。
「あなた、クニミツ様に挨拶もしないのですか?!あなたはこの方の后候補でしょう?!」
「それが何?俺、この人の妻になる気なんてないから。それにあんたにそんなこと言われる筋はない。あんたその人
に告白でもされてもう妻になる約束でもしたの?それなら従ってあげるけど?」
「なっ!!!///////」
「告白はしていない。それより、お前に聞きたいことがある。」
リョーマの言葉に答えたのはレイではなくクニミツだった、そして、リョーマに質問を投げかけた。
「・・・・・・・・・・・・何?」
「なぜお前は俺を憎み、嫌う。」
クニミツの質問にリョーマは一瞬ビックリしたような顔をしてそれから怒りの顔に歪んだ。
「そんなの自分の心に聞いてみたら!!」
そう叫んで自分の部屋のほうへと走って行った。
「テヅカ、僕たちこれからリョーちゃんを皆に紹介しに行こうかと思ってるんだ。」
「そうか。」
「テヅカ〜、そんなに落ち込まなくても〜。俺たちがおちびにそれとなく聞いてみるからさー。」
「ああ、すまないな。」
「いいって、気にしないで。じゃあ、僕達行くね。」
そして、シュウスケとエイジはリョーマの後を追ってリョーマの部屋の方へと消えたのだった。






「では、レイ姫。仕事がありますので、これで失礼します。」
「えっ、あっ!クニミツ様!!」
クニミツの声に我に返ってクニミツの名前を呼んだがクニミツはもう遥か遠くにいたので振り返ることはなかった。
その場にレイだけが残った。











































「さ、リョーちゃん、ここだよ。」
リョーマが最初に着ていた服に着替えてから案内されたところはシュウスケ達の仲間が仕事をしているという部屋だ
った。
「でも、俺が入ってもいいの?」
「いいの、いいの。」
エイジがそう言い、扉を開けて中に入っていった。
「ヤッホォ皆ー!!」
「あっ!!エイジさん!!」
エイジの声にいち早く反応したのはモモシロ・タケシだった。
「皆に紹介したい子がいるんだー!ほら、おちび!!」
「えっ、あの、リョーマ・エチゼンデス。」
「ああ、エチゼン国のリョーマ姫様ですね。俺はオオイシ・シュウイチロウといいます。」
「ちなみに、俺の恋人ーvvvvvv」
「おい!エイジ!」
「俺はイヌイ・サダハルです。よろしく。」
「・・・・・・イヌイさんの補佐のカイドウ・カオルです。」
「モモシロ・タケシです。モモちゃんでも、モモでも好きなように呼んでください。」
「カワムラ・タカシです。この城のコックをしています、お腹がすいたら言ってください。」
「タカさんは僕の恋人だよ。」
そういうシュウスケの顔は見たことがないような笑顔だった。
「よろしくお願いします・・・。」
リョーマが少しお辞儀をして言うと、シュウスケとエイジ以外の全員が驚いたように顔を見合わせた。
「姫なんですから、俺たちにお辞儀しなくていいです。」
「でも、シュウスケとエイジの恋人だし友達だし、俺より皆年上だし・・・。」
「俺たちにもシュウスケさんとかエイジさんみたいに接してくれていいですよ。」
「いいの?」
タケシの言葉に対してシュウスケに同意を求めるとシュウスケはニッコリ笑って
「皆がいいって言ったるんだから、いいんじゃない?」
「じゃあ、皆も、俺に対して敬語とか姫とか言わないで。」
「俺たちの方も好きに呼んでくれてかまわないよ。」
その後、しばらく全員でおしゃべりタイムとなった。




1人の兵士が駆け込んでくるまでは・・・・・・・・。